ソファに座り寛いでいると、父親が珍しくパソコン画面と向き合っていた。
父親、「調べるには、どうすれば良いの?」
私、「調べたいワードを入力して、最後はエンターキーを押せば良いのよ」
父親、「何処に入力するの?」
私、「空白のところよ」
父親、「ひらがな入力するには、どうすれば良いの?」
私、「面倒くさいわね、何を調べたいの?」
父親、「家の塗り替えについて」
父親に代わって私が入力をすると、父親の表情が緩んだ。
私、「これで良い?」
父親、「文字は大きくならないのか?」
私、「見えないなら、眼鏡をすれば良いじゃない」
眼鏡を掛けた父親がじっくり見ているのは某塗装会社のサイト。そのサイトには、塗り替えに掛かる費用の相場や手順、塗料の種類などが詳しく書いてあるのだが
父親、「他のサイトを見たいんだけど」
仕方がないため、他のサイトを検索してあげていると
父親、「口コミって見れないの?」
私、「何の口コミを見たいの?」
父親、「塗り替えをした人の口コミ」
某塗装会社を利用した人の口コミが載っているサイトを開いてあげた。
数分後
父親、「他の口コミも見れる?」
私、「今、見ている口コミは消して良い?」
父親、「まだ、ダメ」
新しいタブで、他の口コミが載っているサイトを開いてあげた。
数分後
私、「他の口コミも見る?」
父親、「うん」
口コミを見終えた父親、「ありがとう」
父親が部屋からいなくなった後、パソコンの電源を消すのに父親が見ていた口コミが載っているタブを消そうとすると、口コミに目が止まった。
目が止まった口コミには、家の塗り替え費用は子供と折半したと書いてあった。
他のタブの口コミには、子供が結婚をする前に家の塗り替えをしたと書いてあった。
しかも、私がその口コミを見付けやすいように、文字が大きくなっていた。
私への当て付けで、口コミの載っているタブを開きっぱなしにしたことは明白なため、家の建て替えが載っているサイトや嫌われない老後の過ごし方が書いてあるサイトを開いておくと、父親が全額負担して家の塗り替えを行った。
我が家の塗り替えをしてくれた業者さんの口コミには、塗り替えをしたことで長く住み続けられると書いてあるが、それを書いたのは私。